「あー、だるかった」 「長いんだよ、校長の話」 始業式が終わり、それぞれが新しいクラスに向かう。 「泰葉。始業式の時、二人で見つめ合ってたでしょ?」 「!」 香奈がニヤニヤしながら、腕を組んできた。 「あの表情は泰葉にしか見せないし…てか、見せられても気持ち悪…」 「誰が気持ち悪いって?」 背後から聞き覚えのある声がした。 しかも、いつもよりちょっと低いトーン。 「「!」」 香奈と勢いよく振り返ると、そこにはー…