ペタペタと、二人で廊下を歩く。 どこの教室も授業が始まっているのか、廊下はとても静かだ。 その静けさが、私を冷静にさせる。 「あの…香奈?」 腕を持ったまま少し前を歩く、香奈。 向かっている先に、保健室はない。 1階に保健室はあるのに、階段を登っていく。 「香奈…」 声を掛けても、香奈は振り向きもしないし返事もしない。 「…」 黙って香奈に付いて行くしかない。