そんな疑問を抱いたまま、放課後になった。
「じゃーね!泰葉ー」
「うん。バイバイ」
駅構内で香奈と別れ、1人でホームに向かった。
結局、あの後から岩瀬くんの姿を見かけなかったなぁ…
どうなったんだろう?
先生とまた揉めてたらー…
「こらぁ!どこの生徒だ!?」
「!?」
ホームに向かう、上りのエスカレーターに乗っていると背後から大きな声が聞こえた。
え…何?
驚いて、勢いよく振り返るとー…
「タバコなんか吸いやがって!高校生だろうが」
そこにいたのは、駅員と見覚えのある制服。
「吸ってねぇよ!」
その制服を着ている人物を見て、身体が動いた。
「学校に通報するぞ?!」
「だから吸ってない…!?」
「ちょっと!待って下さい!!」
言い合っている2人の真ん中に立った。
「なんだ…君は…」
突然の登場に、駅員は驚いている。
「お前…」
背後からも、驚いている声が聞こえる。
「タバコを吸っていたという、証拠はあるんですか?」
「そこに、落ちてる吸い殻を見てみろ!構内は禁煙だというのに」
「だから、俺じゃねぇって!!何回言えば…」
「吸っていたところを見たんですか?」
今にも殴りかかりそうな身体を押さえ、冷静に聞いた。
「え…いや…そこの生徒の後ろを歩いていたら、吸い殻が落ちるのを見たんだ」
「じゃあ、吸い殻を見ただけで、吸っていた姿を見たわけじゃないんですね?」
「そうだけど…」
「それなら、吸っていません。ポケットにもタバコも入ってませんし」
制服姿の人物の身体をペタペタと触り、何も持っていないことを表す。
「おいっ…」
「しかしだな…」
「そういうことなので」
ガシッと腕を掴み、
「!」
「おい!何…」
「こら!待ちなさい!!」
逃げるように走った。



