「もういい加減、離せって!!」
胸ぐらを掴んでいた先生の手を振り払い、岩瀬が殴りかかろうとした時だったー…
「…何してるんですか?」
生徒指導室のドアが開いた。
「…」
シンっと一瞬だけ静まり返り、三人の視線はドアに向けられた。
「廊下まで響いてますよ。他の先生が来たらヤバいんじゃないんですか?」
冷静に状況を把握し、もっともな意見を言ったのはー…
「…立川くん…どうして?」
「噂を聞いてね。安川も心配してたし」
そう言いながら、立川は生徒指導室のドアを閉めた。
「妹尾さん、大丈夫?」
「あ…うん」
問題の二人を無視し、立川は泰葉のそばに寄る。
「…立川、妹尾を連れて生徒指導室から出て行け」
「はい」
「でも…」
「それと妹尾、これ以上コイツに構うな」
コイツとは、岩瀬のこと。
「お前が傷つけられるのを見ていると、俺は冷静でいられなくなる」
あ…昨日ー…
"明日にでも、岩瀬と話してみる"
岩瀬くんを退学にさせたくないから、先生がそう言ったんだ。
なのに、私は余計なことをしてしまった。
「…ごめんなさい」
話をこじらせてしまったどころか、岩瀬くんの立場をもっと悪くしてしまったー…



