前を向いたまま、先生はさっきの続きを言おうとしない。
何だったんだろう?
あ、もしかして…岩瀬にキスされたこと?
きちんと自分から言わなきゃいけないって思っていたのに、まだ言ってないから!?
「あ…あの!先生」
「ん?」
チラッと視線だけを一瞬だけ、助手席に向けた。
「岩瀬…くんの…こと…なんですけど…」
今さらって思うかな?
でも、言わなきゃ…
「この間…キ…キス…されてしまい…ました」
「…教室で岩瀬が言ってたこと?」
「あれ…本当のことで…ご…ごめんなさい!!」
運転席に向かって、勢いよく頭を下げた。



