駐車場で待つこと数分、先生が来た。
車の鍵を開けると、先生は運転席、泰葉は助手席に乗り、車は走り出した。
「課題、俺が間違えて持ってたってことにしといたから、何か聞かれたら話し合わせてね」
「あ…はい。すいません」
「いや…それより…」
「?」
信号機が赤になり、車が停まった。
それと同時に、先生の視線が泰葉に向けられる。
「…傷…あちこちにできちゃったみたいだな」
頬にできた傷を、先生がそっと親指でなぞった。
「だ…大丈夫です」
その行為に、かぁっと顔が赤くなるのがわかった。
「妹尾…あのさ…」
「?」
先生が何かを言いかけたが、ちょうど信号機が青に変わり再び車は走り出した。



