翌日。


今日は終業式。



校門をくぐると、その場にいる生徒全員の視線を浴びる。




別れたはずだった二人が、手を繋いで登校しているから…



あたしも奏も顔をあわせて笑う。



「俺達どんだけ有名人なんだよ」



「ホントに…」




「朝からムカつくんですけど?」




あたしたちの間に割って入ろうとするリョウ先輩。




「コラッ!リョウ!邪魔すんな!!」




「いや…俺は邪魔するぞ!!俺の千秋を返せっ!!」



「いつお前のになったんだよ?コイツは俺のだし。」



奏は挑発するようにあたしを抱きしめて、リョウ先輩をチラ見する。




「あぁぁぁぁ!!!ムカつく×2!!!」



リョウ先輩は大声で叫ぶ。



「行くぞ、千秋!」


あたしと奏は笑ってそのまま走った。




−−−−−−−


教室に入ると、ユリと太一があたしを見てニヤっと笑う。



「な〜に朝からいちゃついてんの?暑いしウザ〜〜イ♪」



あたしはエヘヘとピースする。



−−−−−−−

終業式はあっという間に終わった。



教室を出たらすぐに声をかけられる。



「や、山瀬さん!!」



「あ。高橋君!」



高橋くんはあたしと同じ委員会の子。
クラスは違うけど、顔を合わせれば話す間柄。



「あのさ、今度一緒にライブ行かない?」


とチケットを見せてくれた。


「わぁぁ!!このライブのチケット手に入らないヤツだぁ!!
凄いじゃん!!いいなぁ♪」


「行こうよ×2!!」



「…あ…「ごめんな?コイツ、夏休みは俺としか過ごさないから♪」



奏があたしの肩を引き寄せて言った。


高橋君は呆然としていた。



「行くぞ!千秋!!」



「ご、ごめんね!!」




あたしは高橋君にペコッと頭を下げて、奏について行った。