その日から、奏とは一切連絡を取らなかった。


学校でも顔を合わせる事はなかった。



ユリや太一は、その事にも雷太の事にも触れない。



あたしは、パーマが取れかけた、背中まであった髪を肩まで切った。





雷太とはあれから友達関係を続けている。





あたしはピアスを空けた。

右3つ、左2つ。



数に意味はないけど、


ピアスの穴を空ける事で自分の吐き出せない辛さを紛らしてたのかもしれない…





「ちあきん〇ま♪」



リョウ先輩は相変わらずあたしのクラスに来て絡んでくる。



「そろそろその呼び方やめてください…恥ずかしいんですけど」



「じゃぁなんて呼べばいいの?」



「千秋ちゃん〜とか千秋さん…とか、普通がいいです」



「んじゃ、千秋」



「まぁ…それでいいです」



「千秋、夏休み暇してる??」



「…特に予定はないですけど?なんで?」



「空いてる時間、全部俺に頂戴!」



「え゛?!」



「ってな訳でよろしく♪」



リョウ先輩は勝手に決めて、勝手に帰って行った。



なんなんだ…あの人。





…夏休みかぁ…。




もうそんな時期かぁ…。




バイトでもしようかな…