気がつけば降りる駅…
何も頭に浮かばない…
あたしたち、終わっちゃったんだ…
失恋ばっかりだよ、あたし。
そんなに魅力ないかな…
どうしたら魅力的な女の子になれる?
苦しいよ…
「千秋!!」
あたしは誰かに肩を掴まれ、振り返させられる。
「雷太…」
「千秋…今いいか?二人で話がしたいんだけど…」
コクン…
あたしは頷いた。
それからあたしたちは家の近くの公園のベンチに座った。
「…千秋。俺…千秋に酷い事したな…ごめん…」
「…ん。」
「ぶっちゃけ…あれから奈々と付き合ったんだけど…
付き合っていくうちに千秋の良さに気付かされたっていうか…」
「……」
「俺、バカだから、高校入ってから女の子にチヤホヤされて調子乗っちまって…
昔から千秋が大事だったのに…千秋傷付けて…」
あぁ…このまま…
あたし…雷太とより戻そうかな…
「…千秋は今男いるんだ?」
「……」
「…俺達…やり直せない?」
「……」
なんで、こんな時に優しい言葉掛けてくれるんだろ…
雷太を好きだった頃を思い出しちゃうじゃん…
すごく好きだったのに…
裏切ったのは雷太なのに…
「雷…太…今あたしに優しく…しないで。」
涙が止まらない…
雷太はあたしを抱きしめた。
前の雷太の匂い…
もう香水の匂いはしないや…
「千秋…」
名前を呼ばれて顔を上げる…
雷太の顔がゆっくりと近付く…
あたしは…
そっと目を閉じた。

