奏との付き合いは、すぐに学校中に知れ渡った。


…というのも。
奏が休み時間毎にあたしのクラスに来ては、

「俺の彼女の千秋いるかぁ?」

…と、わざわざ言うから。


ただでさえ目立つのにリョウ先輩までついてくるから、余計に目立ってる。


「ちあきん〇ま♪会いにきたよ♪」

リョウ先輩はあたしにハグをする。


「コラァ!リョウ!
俺の千秋に触るな!!見るな!!近寄るな!!」


奏はあたしからリョウ先輩をペリっと剥がす。


お泊りしてからというもの、奏があたしを見る目は常にハートマークだし、あたしも同じだった。



端から見たら、バカップルそのもの。



おまけにあたしの両親は、あたしが金曜から日曜まで奏の家に泊まるのを許してくれたり…

(許してくれた…と言うより、「泊まってこい!」だったりするけど…)



とにかく、全てにおいて公認だった。




こんなに幸せでいいのかな…


幸せ過ぎて怖い…


なんて贅沢な悩み。




…が。

幸せはやはり長くは続かない…


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金曜日。

いつもの様に奏と一緒に学校から奏の家に帰っていると、


「お〜い!奏!!」



目の前に奏の名前を呼ぶ姿があった。