−ガチャ−
「ど〜ぞ♪」
「お邪魔しま…す」
うぅ…
やっぱ緊張する…
「緊張しなくていいよ?」
「う…うん」
リビングに入って、すぐに昨日の写真に目が行った。
あ…
ない…。
やっぱり…元カノなのかな。
…というか…。
先輩、あたしのために写真を片付けてくれたんだね。
なんか…そういう気配りが嬉しい…
チラッと先輩を見た。
キッチンで何やらごそごそしてる先輩が言う。
「千秋!朝飯食った?」
「あ、うん!食べてきたよ?先輩は?」
「あ〜俺まだ。今からコンビニ行ってパン買ってくるわ!」
あたしはキッチンに行って、冷蔵庫を覗いた。
食パン、玉子、ハム、カットレタス、フランクフルトについてくるマスタード、マヨネーズ…あるし…
「あ…材料ありそうだからサンドイッチ作ろうか?」
「え〜っ?!マジ?!作って×2!!」
「んじゃぁ、先輩はリビング行ってて!」
あたしは先輩の背中を押してキッチンから追い出そうとした。
ところが先輩は、クルッと回ってあたしに向き合った。
そのまま…
チュッ♪
「あ〜なんか朝飯作ってもらうのなんて幸せ過ぎてヤバイ♪」
ギュ〜っとされて苦しい…
「先輩…苦しい…」
「んぁ!わりぃっ!!」
先輩は腕の力を緩めてから、
膝を軽く曲げて、あたしの目の高さに視線をあわせた。
「なぁ千秋。その《先輩》って言うのやめない?なんか学園モノのアダルトみたいで…」
「なっ?!ア…ダルト?」
「《奏》って呼べ♪」
「う、うん。承…知。」
「ふっ…お主は侍か…」
先輩…目がマジになってる…
「さぁ…呼んでごらん?」
名前呼ぶだけなのに、めちゃくちゃ緊張するよぉ。
「さ…し…す…せ…「ソー!とか要らんから…」
やっぱり、通じないか…
「…そ…う」
「聞こえね〜♪服脱がすぞ?」
「奏!!!」
「はぁい♪千秋♪」
グイッ!!
「…っん…」
奏の唇が重なる。右、左と角度を変えて…
今までとは違うキス…
あぁ。
とろけるってこういう事なんだね…

