授業後。
あたしは携帯の電源をおとして帰りの支度をしていた。
早く学校を出よう…
教科書をロッカーに入れて、一つに束ねてた髪をほどいた。
ぽんぽんっ
肩を叩かれて固まった…
「おまたせ♪」
めちゃめちゃ笑顔の中嶋先輩…
「待ってません…けど?」
あたしも負けずに笑顔で。
「いこっか♪」
そう言うとあたしの手とバッグを掴んで連行した。
クラス中…廊下中に視線を感じながらあたしたちは校舎を出た。
−−−−−−−
地下鉄のホーム。
「あの…」
「何?」
「手を離してくれませんか?」
「ヤダ」
「……」
「逃げない?」
「はい…腹くくりました」
「よし♪じゃぁちょっとだけ離す」
「…でどこに行くんですか?」
「う〜ん…千秋の家行ってお母様にご挨拶して…」
「はぁぁぁ?!」
「プッ!本気にすんな。とりあえず千秋が降りる駅まで行くか!そしたらゆっくり出来るし♪」
「……」
何したいんだろ、この人。
そうこうしてる内に駅に着く。
あたしたちは駅前のファストフード店に入った。
道路沿いの席に向かいあって座る。
ガラス張りだから外の様子がよく見える。
あたしはカフェオレを飲みながら外を見ていた。
中嶋先輩は両肘をついてあたしを見ているのがガラスに微かに映っていてわかる。
「あの…「千秋って彼氏とどれくらい?」
中嶋先輩はあたしの言葉に被せて聞いてきた。
「中2からです…けど?」
「長いなぁ!!もう2年かぁ」
「はい。ラブラブなんで」
「んで、いつHしたの?」
「言いません。」
「ケチっ!」
中嶋先輩はコーラを飲みながらポテトをつまんだ。
「中嶋先輩は?」
「ん?俺?俺は中3の冬に大学生と脱童貞…「か〜のじょいるか聞いてるんです!」
ハハハと笑いながら
「あぁ彼女か…彼女は…どうだろね」
中嶋先輩は肘をついて外を見た。

