校門についたが誰もいない。

(まさか!…こんなことが…っ!)

俺はそこに立ちすくんだ。こんな
現実を受け止めれるはずがない。

でも、思い返して見ると俺らしくないと思った。

両親が死んでから他人との距離を
あけていた俺が、その他人に
救いを求めるようなことをするなんて
悪い冗談だ。

(はは。いいじゃないか。世界に一人)

笑いがこぼれそうになった。
俺は一人だ。この町に。この世界に。

だけど、誰かの懸ける音がした。
振りかえってみるとそこには
一人の女がいた。
その女は言った。

「あっ!!」