「赤ずきん。お祖母さんが病気だから、お見舞いに行ってあげなさい」

「はーい!」

そう言われて赤頭巾を被った女の子は元気よく返事をした。

女の子は皆に『赤ずきん』と呼ばれていた。

それはこれからお見舞いに行くお祖母さんからもらった赤頭巾をいつも被っているからと、かなり安直だが、それでも赤ずきんはその呼び名を気に入っていた。

「いい?このお見舞いの品のブドウ酒と上等なお菓子を届けてね。早く元気になるようにって」

「うん。お祖母さんにちゃんと渡すよ」