少し走っただけでその花畑は見えてきた。


木々の間から黄色や白のカーペットのような景色。


花畑に、違いない。


嬉しくなった赤ずきんはスカートなんて気にせずおもいっきり走った。


が、

ふいにバスケットから何か落ち


ポスン、と

軽い音をたてた。


何かはお母さんから渡された上等なお菓子だった。

我に返った赤ずきんは急いでお菓子を拾いに行った。

今度は走らず、あくまでゆっくりと。

幸いにも、お菓子は袋に包まれていて土も入っておらず、形も崩れていなかった。


ほっと一安心した赤ずきんは丁寧にバスケットにお菓子を入れ直した。