狼と赤ずきん

あの目立つ赤色が完全に見えなくなった狼は糸が切れたように地面へ崩れ落ちた。

もしあの末恐ろしい

「人喰い狼」

を知っている者。
はたまた喰べられてしまった者は。

今の狼の状態に思わず目を見開き十回くらい目を高速で擦ってしまうだろう。


狼が腰を抜かしてしまうなんてどこのとんち話だろう。

しかし、今現在この狼は完全に腰を抜かしていた。

狼は体に力が入らず、重力に従って段々と後ろに倒れていく。

不運な事に地面にあった石が背中に刺さった。

「イッテェェ!?」

もはやあの「人喰い狼」の面影が微塵も感じられない。

集中力が完全になくなり、石に刺さったくらいで必要以上に大声で痛がっている。