狼と赤ずきん

「…よし。偉くて利口でいい子な赤ずきんに俺からのご褒美」

「ご褒美?」

「…といっても情報を教えるだけだけどな」

赤ずきんは目を輝かせて自分の言葉を待っていた。


その目は前日見た星の様。


狼は自分の指を右へ指して自分の知っている情報を赤ずきんに教えた。

「ここを右に曲がって真っ直ぐ行く。すると、色んな花があるそれは綺麗な花畑があるんだ」

「本当!?」

張り上げた声を出し喜ぶ赤ずきん。

喜ばしたのが自分だと思うととても嬉しかった。

なんとか喜ばす事に成功した狼は言葉を続けた。

「ああ。飲み物や菓子なんてすぐ無くなってしまうものより、形が残る贈り物なんていいと思うだろ?」