狼と赤ずきん

でも今はそんな事どうでもいい。

今は少し機嫌を損ねてしまった赤ずきんを慰める事の方が優先するべきだと思ったからだ。

人間を喰べてしまう事より赤ずきんの機嫌を損ねた事の方が罪悪感を感じたからである。

同じ人間なのにここまで差をつけるとは先程から自分は何かおかしい。

いや、おかしくてもいい。今は赤ずきんを何とかしなくては。

「そんな事ないさ。赤ずきんは、とっても利口でいい子だよ?」

狼は何回目かの褒め言葉を言うと赤ずきんは言い返すのをやめた。

なんとか機嫌が直ったみたいだ。




もっと機嫌が良くならないだろうか。

出来れば笑ってはくれないだろうか。




そうなるように狼は考え自分の知る知識を赤ずきんに教える事にした。