狼と赤ずきん

もう考えるのがめんどくさくなってきた狼は切り株から降りて、長い草が茂っている地面にドカッと寝転がる。

目の前には満天の星空。

正直に美しいと思った。同時に、羨ましいとも思った。

星達は自分みたいに悩む必要がないから楽なんだろうと。

狼はなんとなく目を閉じて、こう呟いた。

「…どうか俺を楽しませてくれ…」

言ったあと自分に驚いた。
星に願いを言うなんて…どこのロマンチストだろうか。

以前喰べた人間にロマンチストな奴がいて、その影響だと思い込み余計なものを消す。


もう馬鹿馬鹿しくなってきて、考えるのはやめて寝る事にした。

次に目を覚ました後。

空腹を紛らすものを探すためゆっくりと立ち上がる。