狼と赤ずきん

「…「オオカミ」…さん?」

折角教えてもらったから呼んでみた。

「ん?…うん、そ。狼。よろしく……君は?」

曖昧な反応だったが、特に気にせず、赤ずきんは狼の問いに答えようとして、迷った。

「…………」

なんと名乗るべきか、迷っていた。

黙り込む赤ずきんに狼は首を傾げる。

赤ずきんは。

「……わ、私は…皆からは「赤ずきん」と呼ばれているわ」

本名を伏せた。

どう考えても名前ではないそれに、狼は不審な顔をひとつもせずそっと微笑んで赤ずきんを歓迎した。

「改めてハジメマシテ。よろしく赤ずきん。」

「ええ…よろしくオオカミさん」