占い師を前に、

ビクビク震える光。


「フッ」


光は、ビックリした。


目の前の占い師が笑ったのだ。


「すいません」


「あまりに緊張なさっていて可愛らしいなと思いまして」


「そんなに緊張なさらないで下さい」



光は、緊張の糸が切れたように


笑顔を浮かべながら


「わかりました」



占い師は、目の前の水晶に

両手をかざし、目をつぶった。


占い師の唇が微かに動く。


「運命が動きだす。」


「様々な出会いがあるだろう」

「辛く険しい道のりだが諦めず、自分を信じて突き進みなさい」


占い師は、目をゆっくりと開き

両手を膝の上に置いた。


難しい顔を浮かべる。

「ありがとうございました」


「こちらこそ来てくださってありがとうございました」


光は、香織に顔を向けた。

「香織は、いいの?」

香織は、穏やかな顔で

「大丈夫ですわ」

「わたくしは、光が笑ってくれるだけで良いのです」


光は、満足そうな顔をしながら

「そっか」

「帰ろっか」

笑みを浮かべる。


「はい。帰りましょう」


香織は、光の手を掴み

手を繋ぎながら帰った。