君との関係

なんだか凄い言われよう。一応間宮グループの時期当主なんですけれど。間宮君が間宮に変わってあんたになった。さすがは葛原財閥。

「分かってる。俺にだって大切なものはある。失いたくない人だっている。ここは意地を張るべきなんじゃないのかもしれない。花音、今度うちが旅行産業に手を付ける事は知ってるよな?」

「知っているけれど、それがなに?」

「うちが最初にパイプを作ろうとしてるのが、まだ花音の家が手を付けてないロシアなんだ。」

えっ?本当に?どうしよう。ロシアって、何でロシアからなのよ。普通アメリカやヨーロッパからでしょう?それがセオリーってものでしょう?

「俺は旅行産業の事は分からない。勿論勉強はしてる。けど昔から旅行産業に携わっている花音には適わないと思うんだ。」

うん、そうよ。いくらあんただからって、これに関して言えばひよっこの中のひよっこ。まだ卵みたいなものよ。だから旅行産業はあきらめて、他をあった方がいいわ。

「だから、協力してほしい。」

「はぁ?」

いけない、つい心の声が。

「大体、何でロシアなのよ。ロシアにはね今度から本格的にうちが進出しようとしてんのよ。そして、それを任されたのが私。第一商売敵でしょうが!『協力してほしい。』なんて無理に決まってんでしょう。しかも『だから』って何よ?そんな義理私には無いわ。」

「花音、落ち着いて。私が説明するから。今度、ロシア進出を花音が任された様に、間宮君もロシア進出を任されたの。そして、それが失敗すると間宮君にも私にも自由がなくなるわけ。」