そう思って近づいたら。 「無理。」 その一言で、自分の後ろに隠しやがった。 「……」 「……」 「…いやいや、猫どー見ても泣いた痕あんじゃん。」 「無理。お前にだけはやれない。」 「…はぁ」 なんちゅー、わがまま。 こいつがモテるなんて、本当信じられない。 …こんな猫依存症みたいな奴。猫しか相手にしないのに。 「ムカつくわー」 そう自然と声が出ていた。