ガサガサ、と草むらをかき分けやっと見つけた姿に俺は息を止めた。 「小春、小春…!」 ――陣内が泣いてる。 たぶん猫は気を失ってる。 それでも陣内は泣きながら名前を呼び続けた。 …なぁ。 陣内お前は、なぜそんなに。 「ごめん、また守れなかった…!」 自分を責めるんだ? なにも出来ない光景に俺は佇むしかなかった。