再び返信を待つ。

『無理!私がお金払うから業者呼んで!明日の夕方時間作ってそっち行くから。』


頑なに拒む彼女。

イライラしてくる。
こっちは困ってんだよ。
理由ぐらい言えよ。

電話をする。
やはり出ない。

苛立ちながらメールを打つ。


『無いと困るから行くから。』

返信は無い。


店が終わり、
再び電話をする。
出ない。


家に帰れないので久保田を誘って飲みに行く。
1時間半程して解散。

出ないのわかっててさとみに電話する。
当然出ない。

メールを送る。

『この前送った場所にいるんだけど、連絡して。』

そんな場所にはいないけど、とりあえず送っといた。


返信は無い。


イライライライラ。

とにかくこの状態をどうにかしなきゃ。
必死に考える。

家は三階。オートロック。うーん。

ベランダの鍵開いてるっけな。
裏から見てみる。

開いてんじゃん!
無用心だけど。
よくやった。

でも上れそうもないなぁ。

あっ。あそこならアレがあるか。

近くのスーパーにダッシュで行く。

「あの〜脚立貸して貰えますか?」

「そこにあるのでよければどうぞ〜!」


「ありがとうございます!」


急いで家の裏に行く。
脚立をはしごみたいにして、
壁に立て掛ける。


ん〜行けるねぇ。
オートロックの意味ねぇな。
とりあえず登る。不安定で少し怖い。
端から見れば不審者以外のなにものでもない。

登りきってなんとかベランダに到着。

ミッションクリアー。

家の鍵を開けっ放しで、
脚立を返しに行く。

今回の件はなんとかなったけど

僕はこの子のなんなのさって感じだよ。

結局次の日、よくわかない理由を言ってさとみは来なかった。

なんとなくわかってた。