さとみの手をひき
部屋を出る。
玄関で靴を履いている時に思い出した。

慌てて部屋に戻る僕。
忘れ物わすれもの。

玄関では、もうさとみが待っている。

「さとみこれあげる。」

「なぁに?」

僕はこの前買った香水と家の合い鍵を渡した。

「この前あげたのあんまり入って無かったからさ。それとこれ。持ってて。」

「あの香水ね、枕とかにも付けて寝てるの。
ハルと一緒に寝てるような気がして。
今日からこの鍵も持って寝る。
キモいでしょ。」

照れ臭そうに笑うさとみ。
「かわいいなぁ。そんなことより早くでなきゃ。」

さとみの手を引き家を出てタクシー乗り場に向かう。

「ハル、ずっと一緒にいれるよね。会えないからって浮気しちゃ嫌だよ。」

「どうした急に?不安になったの?それはお互い様でしょ?」

「私は大丈夫だもん。」

「じゃ俺も大丈夫。」

「いや、ハルは危ない。」

「そんなことない。」

そんな会話をしながら
タクシー乗り場につく。

「気をつけて帰るんだよ!」

タクシーに乗り込むさとみ。

「今度は金曜日だね!浮気すんなよ!」

「はいはい。」

ドアが閉まる。
車がでる。

早かったなぁ。
あっと言う間だった。
8時間も一緒にいたのに、時間経つの早過ぎだよ。

家に帰り、ゴロゴロしてるとさとみからメールが来た。



『8月29日05:47


今日という日が過ごせて本当に幸せ!
あっと言う間だったね!
もっと一緒いたかった。
もっとハルのこと知りたくなった。

まだまだお互いのこと知らないことだらけだけど、
焦らず、ゆっくり進んで行こうね。
会えない日が続くけど、
きっといつか今我慢した分プラスになって
幸せになる日が来ると思う。

愛してるよハル。
ハルの大切な大切な
さとみより。』



さとみは暖かい子だなぁ。
いつかプラスにね。

ゆっくり歩こうね。

愛してるよ。さとみ。