『いつか。愛。』

5分ほど話してたら
インカムが入って来た。
店内に戻って来いだって。

「ごめん戻らなきゃ。」

「あ〜仕事だもんね。急に来た私が悪いもんね〜。」

「こらっ」

軽く頭を叩く。
笑うさとみ。

「あっさとみ顔になんか着いてるよ?目のとこ。
なにこれ。」

目をこらしながら、さとみに近づき親指で目の下をなでる。
徐々に接近する。

はいここでキス。
お決まり。

慌てるさとみ。

「ちょっとお客さんに見つかったら言い訳できないじゃん!」

と言いながら笑ってる。

「うっせ。じゃ戻るからね!頑張ってね♪」

ダッシュで店に戻る。

早くもみんなテンパってる。

こっからヨーイドンでマラソン大会だな。

タバコも吸う時間なさそう。


せーの。


ヨーイドン。


....。



....。


ん〜はんぱないね。



時間が遅くなればなるほど人は入ってくる。

知ってるお客さんもたくさんも来てくれた。


いや〜すごいすごい。
すごかった。

店内ぐちゃぐちゃになりながらなんとか終わった。

たまに専務がインカムで怒鳴るから余計混乱しちゃうよ。


みんなヘトヘト。


後片付けをしてミーティング。


こんなクタクタなんだから聞く耳もたないよ。
早く終わらして。


ミーティングも終わり、
3人のウェイター君達は
くたばってる。

まぁ想定内。

明日来るかな。

ここで専務一言。

「今日全員店泊!」

はい想定外。
ちゃんと眠れないし嫌だよ。

店泊ってのは、そのまんま。店に泊まること。


逃がしませんって戦法ですかね専務。


ふいに専務が外に出た。
すぐ追いかける。

「専務!自分は帰っていいですか?家すぐそこだし、ちゃんと来ますから。」


「ちゃんと来いよ!他のスタッフにはばれないように帰れよ!」

背中を強く叩かれ、
階段を降りていく。
なんだかんだ専務は特別視してくれる。
怒られたこともほとんどないし。


僕は店に戻り

「今から飲みに行く人〜。」

と全員に聞こえるように言った。