『いつか。愛。』

オープン初日。

はい寝坊。

今日から夕方4時出勤の予定が今日は初日なので早めの2時出勤。

急いで準備する。
5分遅刻で店に入る。


うわっ。みんな揃ってる。
専務もいる。

「上原オープン初日に遅刻か。」

こわっ。

「すいません家の鍵が見つからなくて。」

とっさに出てくる嘘も、
真実みがでてきたな。

まだまだやることが
テンコ盛り。
オープンぎりぎりまで、
バタバタするだろう。


オープン当日にバタバタするのはなんとなくわかっていた。
前の店も大変だったし。

みんなでバタバタしてようやくおさまったのが6時半。
下の子達にご飯を買ってきてもらうのを頼んで、

上の人間はミーティング。今回は逃げれなかった。

ミーティングをしながらさっさとご飯を食べる。


そしてお待ち兼ねの
気合いの軍隊の様な朝礼。苦手なんだなぁ。
何言ってるかわからんし。

圧倒される下の子達。

朝礼も終わり間もなくオープン。

僕は客引きにでる。

『ピッピッピッ』
さとみからメール。


『今から家でま〜す!もうすぐオープンだね!頑張れ!ハル君はずっと店内??』


あっ呼び名いつの間にか、ハル君に決まったんだ。


『今日は外だよ!さとみも頑張ってね♪』


8時。店はオープン。
徐々にお客さんも入ってきたらしい。

インカムでなんとなくの店内の様子はわかる。

インカムってのは、無線。

僕が立っている位置は、駅と店の中間。ちょっと駅よりかな。
8時半になると同伴の女の子達も入ってきた。

電話が鳴る。
さとみだ。

「ハルいまどこ?」

もう呼び捨てかよっ。

「今ケーキ屋さんのとこ。」

軽く場所の説明をする。

「あ〜あそこら辺にいるんだ。」

突然電話が切れる。
なんだよ。

かけ直そうとした瞬間、

「電話してないで仕事しろ!」

言葉と同時に後ろから両肩を叩かれた。


この声はさとみ。

後ろを振り向かず、
僕は言った。

「仕事ってわかってるなら電話なんかしてくんな!」

さとみと僕はいつも憎まれ口で楽しんでる。