次の日。
ちょっと早めに出勤。

明日オープンなので、みんな朝からバタバタ。

今日はスカウトどころではない。

みんなで掃除。

下の人間にまかせっきりだったので、
やっぱり『ぬかり』がね。
下の人間を紹介。
神田。一言で言うときまじめ。
橋本。ん〜ロボット。
久保田。今時の若者。ホスト風で生意気だがタイプ的には僕に1番近いかな。

みんな20歳前後かな。


3人いてもみんな未経験らしいから仕方ない。

ここは上司らしく優しく指導。

僕なんか毎日怒鳴られたんですけどね。


夕方まで掃除だって。
次から次へとやることが増える。

途中でさとみから電話。
専務も近くにいたので、
スカウトした子から電話かかってきた様にでる。
事情を話し今日はあまり電話をできないことを伝える。

不満そうなさとみ。

なだめるのも一苦労。

気付けば4時。
すでにクタクタ。


1時間程食事休憩を取り
営業シュミレーション。

このシュミレーションにはエスコートも参加。

エスコートってのは、
お客さんを席に案内したり、延長確認をする女の子達。

前の店で一緒だったゆきさんもお手伝いで来てくれてる。

この子とはかなりうまく連携がとれるので仕事しやすい。


下の子達を指導する。
専務はじっと睨み続けている。
非情に険しい顔。
とめどなく続くだめだし。
少しづつ鬼へ近づく。


ひたすらシュミレーションを続け、もう夜中の1時。
やっと解散。

上の人間達はミーティング。

下の子達は解散。
僕はその中間だったので、どさくさに紛れて帰る。

店の階段を降りてるとゆきさんがいた。
後ろから話し掛ける。
「帰るの?」

ゆきさんは振り向くと

「専務にタクシー代貰ったんだけど、始発待って電車で帰ろうかなって悩んでる。」


さすがゆきさん。
僕の一つ上だが、子供もいるし、旦那もいる。
つまり主婦。
ちゃっかりしてる。


「ご飯食べ行かない?」
と聞くと、

一発オッケィ。

前の店でも仲良かったしね。