「……しかし…その子供は…お前の子供ではない可能性もなくはない…」



「!!!?」


「俺は陽女華を拉致ッた時…抱いた……」


紫岐様が陽女華を抱いたーー


「……陽女華から俺のコト…何か聞いていたか?」


「いえ…何も……」


「俺が陽女華を抱いたのは黙らせる為だ…愛情の欠片など一つもない…。自分の
子供だとしても認知はしない…援助もしない…」



「……」


紫岐様はソファーを立ち上がった。


「……お前が護るのはトーヤ様ではなく陽女華と子供だ…。荷物をまとめて置け!」


紫岐様は冷たく吐き捨てて大広間を出てゆく。