「ご苦労だ…」


トーヤ様は医学知識を身につけて植物状態の佐波様を自分で治す為に…医大に通われていた。


「今日は千暁か…」


「はい…トーヤ様…」


いつも饒舌な千暁だがトーヤ様の前になると極端に無口になる。


「佐波の様子は?」


「何も変わり有りません…」


俺の運転で医大のキャンパスを後にする。


「こうして仲間も増えて賑やかになったのに…いつ…佐波は目を開けてくれるん
だろうな~」



トーヤ様の呟きは切実だった。