「…ありがとう、ございました」


なんとか無事にライブを終えることが出来た。

でも、私の喉はもう限界を通り越していた。

「娃弥!お疲れ様っ!!」

嬉しそうな朋果ちゃんの顔もぼやけていく。

「ゴホッゴホッ…ゴホっ」


苦しくてその場にうずくまった。

「大丈夫!?」

「娃弥!??」


今までに味わったことのないくらいの痛みに気を失いそうになっていた。

ダメだ。

ここで気を失っちゃダメ。

もうこれ以上みんなにこんな姿見せちゃダメ。

私は最後の力を振り絞って走った。

ここから離れよう。そう思って私は走った。

後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。

誰かが追いかけてくるのも分かったけど、そんなの無視して走った。




早くみんなの前から消えたかった…