「あの…、舟山先輩ですか?」



ビクッ!と過剰なくらいに、わたしの身体は反応した。


ふるふると震えながら、恐る恐る振り向けば





「舟山先輩ですよね?」



男!

間違いなく、男!!



顔からはサーッと血の気がひいていった。






「な、なななな…なんですか?」



動揺しすぎてカミカミ。

自分でも何を言っているのかわからない始末……。






「あの…お話が……」



「ごめんなさぁぁあいっ!!」


話しかけてくれたみたいだけど、それを振り切っての全力疾走。


実は相手の顔も見ていない。

ごめん!