俯き加減にソファに座っているその人は、ビターチョコレートみたいな甘い色をした髪が少し顔にかかっていて、表情がよく読み取れない。 髪の間から覗く、ヘーゼルの瞳がわたしには憂いを含んでいるように見えて、それはそれで色気があった。 見るからに非の打ち所がないような人。 完璧、なんだけど……… どこかがすごくおかしかった。 どこか……が、 「お前らがうるさいせいでミーが鳴いてるだろうが」 そう、おかしいんだ。 彼の膝の上で1匹の猫がニャーニャー鳴いている。