「本当か?勇人」 男がそう聞くと、勇人はゆっくりと頷いた。 「ああ。その女は、真由のオトリ。だから、離せ」 私がオトリ…? その時、何となく分かってしまった。 勇人たちがやろうとしている事が…。 「狙うのは、オレだろ?だったら、さっさとかかって来いよ!」 勇人の怒鳴り声は、静かなこの場所に、響き渡った。