いつも、私に優しくて、好きでいてくれて、その気持ちに逃げてた。


勇人がヤクザの跡取り息子っていう事実を、どこかでいつも、知らない振りをしていた気がする。


ヤクザの中でも、トップに立つ様な人。


その人と一緒にいるって事は、私もこの世界から絶対に逃げられない・・・。


じゃあ、気持ちにケジメをつけなくちゃね。


どっちを取るか・・・。


勇人か、勇人のいない今までの人生か・・・。


「よし!決めた!調べに行こう」


勇人が帰ってくる前に、私は支度をして出かけた。


向かった先は、図書館。


あそこなら、きっとすぐに調べられるから。