「何言ってるのよ。人聞きの悪い」


お義母さんはそう言うと、「お邪魔しました」と部屋を出て行った。


それを確認してから、勇人は私の側へとやって来る。


まだ濡れている髪からは、ほのかにシャンプーの香りがした。


「美優、何か言われたか?」


「ううん。何も…」


ぎこちない笑顔を向けて、否定はしたものの・・・、


お義母さんの言った言葉が、頭の中でぐるぐると回っていた。


私、もしかして軽い気持ちで、ここにいるんじゃないのかな・・・。