「また、お兄ちゃんが追いかけられてるの?」


小さな美羽の手を取り、オレたちはリビングへ向かった。


「そうみたいだな~。朝からうるさいよな?」


ダイニングテーブルでは、ようやく捕まったらしい陽人が、美優に椅子へ座らされていた。



「あっ、勇人に美羽。おはよ~」


「毎朝賑やかだな~。美羽が起きたじゃないか」


椅子に座っている陽人は、ふて腐れた顔でオレたちを見た。


「オレは、早く体を鍛えたいんだよ~!」


「何言ってるのよ。陽人は鍛えるより先に、大きくならないとダメでしょ?」