ようやく酸素マスクを外された勇人は、消え入りそうな声で、私を呼んだ。 「美優…」 まだ力が入らないだろう手を、必死に伸ばしている。 「どうしたの?」 私は走って駆け寄ると、勇人の手を握った。 「ごめんな…。いっぱい傷つけて…」 「えっ?」 何言ってるの? 「やめてよ。謝らないといけないのは私だよ?」