きれいな桜に見とれていると誰かにぶつかってしまった。

「すいませんっ」
「いいよ。別に」
そう言ってニッコリ笑った顔はとてもかっこよくて…
その笑顔は桜よりも輝いていた。

「茜~~~♪」
ふりかえると亮が走ってきていた。
「俺らおなじクラス!!やった♪」
「わぁ♪やったぁ!」
そう言いながらあの人が気になった私はもぅ一度ふりかえってみた。
でもそこにはあの人はいなかった…

「どうした?早く行こう!入学式はじまるよ」
「あっ!うん」

私の頭の中ではあの人の笑顔とあの低くて落ち着いた声がいつまでもはなれなかった…