自分と同じ制服姿の人間たちが次々と学校を後にする中。

私、上月美和は一人教室に残り、窓の外に広がる薄暗い空を見上げていた。


今は夕方のはずなのに、既に黄昏た後のような空から、数え切れないほどの水滴が弾けるように地面へと打ち付けられている。

雨だ。

延々と繰り返される雨音の中で、至福に似た、なんともいえない気持ちを噛み締めた。




私は幼いころから雨が好きだった。

天気予報では決まって雨マークを探し、一週間雨のマークが一つもなければその一週間の間ブルー。

逆に雨のマークが一週間の内にいくつかあると、少し機嫌がよくなる。

なかなか気難しい性格と自負している私なのだが、雨に関わることになれば、何とも単純な思考回路になってしまうのだ。