「似合う似合わないは置いといて、
 可愛い彼女のお願いなんだろ?」

ようやく笑いの発作から開放され、
切り替えて話し出す。

「うん」

「じゃあ、聞いてやればいいじゃん」

簡単な話だ。


「嫌なんだよ!っていうか
 中森ちゃんがつける方が
 絶対いいに決まってるじゃん?ね?」

それはそうだろう。

「それ、そのまま彼女に言えば?」

「言ったよ!言ったさ!でもさ!」


『私、男の子がネコ耳つけてるの
 好きなの!だからね、
 小田君がつけてくれると、
 好き+好きで、大好きになるでしょ?』

だからお願い!と、
それはもう可愛らしく言われたそうだ。


「じゃあもう諦めてつけろよ。
 それでいいだろ。めんどくさい」


結局ノロケか。ノロケなのか。


「めんどくさいとか!
 友だちだろ?!
 もっと親身になってください。
 お願いします!」

そう言って机につっぷすように
おもいきり頭を下げた。


……今、床に座ってたら
コイツ土下座しそうな勢いだな……


結構、思いつめているのだろうか。