「結局『さん』付けか?」
思いがけず嬉しい言葉をもらった俺は、ワザと悪態をついて見せた。
「嫌ですか?」
そのすがる様な目線は、理性がふっ飛んでしまいそうになる。
俺は、顔を隠すように自分の胸に頭を引き寄せた。
「嫌では無い。」
急に馴れ馴れしくなる方が無理があるのかもしれない。
さっきまで上司と部下だったのだ。
そう思うと、コイツが働き始めた頃の事を思い出した。
始めは、若いバイトと言うだけで毛嫌いしていたのに...。
「お前のバイトの動機は、遊ぶ金欲しさじゃ無かったよな?仕事への姿勢も真面目だし。」
いつからだろう、今までのバイトと違うと思い出したのは。
「だが俺に立てつくし、無駄にヤキモチ妬かせるし。何だお前は。」
今までに無い位、頭を使ったのもまた事実だ。
その言葉に反論しようとしたのか、安浦は急に顔を上げた。
何かを言おうと口を開く。
「言い訳無用。」
どうせ反抗的な言葉だろう。
俺は安浦の唇を塞いだ。
「言っておくが、俺は独占欲が強いし、我が儘だぞ?」
唇から、首筋へ愛撫を移しながらそう言うと、安浦は小さく頷いた。
安浦?
違うな。
「覚悟しとけよ?可奈子。」
思えば、初めて下の名前で呼んだかもしれない。
俺は、こそばゆさと同時に独占欲に襲われた。
誰にも渡したくない。
そう思った女性は、今までに居なかった。
思いがけず嬉しい言葉をもらった俺は、ワザと悪態をついて見せた。
「嫌ですか?」
そのすがる様な目線は、理性がふっ飛んでしまいそうになる。
俺は、顔を隠すように自分の胸に頭を引き寄せた。
「嫌では無い。」
急に馴れ馴れしくなる方が無理があるのかもしれない。
さっきまで上司と部下だったのだ。
そう思うと、コイツが働き始めた頃の事を思い出した。
始めは、若いバイトと言うだけで毛嫌いしていたのに...。
「お前のバイトの動機は、遊ぶ金欲しさじゃ無かったよな?仕事への姿勢も真面目だし。」
いつからだろう、今までのバイトと違うと思い出したのは。
「だが俺に立てつくし、無駄にヤキモチ妬かせるし。何だお前は。」
今までに無い位、頭を使ったのもまた事実だ。
その言葉に反論しようとしたのか、安浦は急に顔を上げた。
何かを言おうと口を開く。
「言い訳無用。」
どうせ反抗的な言葉だろう。
俺は安浦の唇を塞いだ。
「言っておくが、俺は独占欲が強いし、我が儘だぞ?」
唇から、首筋へ愛撫を移しながらそう言うと、安浦は小さく頷いた。
安浦?
違うな。
「覚悟しとけよ?可奈子。」
思えば、初めて下の名前で呼んだかもしれない。
俺は、こそばゆさと同時に独占欲に襲われた。
誰にも渡したくない。
そう思った女性は、今までに居なかった。

