裏の社員通用口から道へ出ると、遊園地の柵沿いに駅へ向かって歩き出した。
いつもなら、最寄り駅まで歩いて10分。
だが、それより遥かに短時間で到着出来た。

あの二人は『そういう関係』なのか?
だから『絶対に惚れない』と言ったのか?

考え無い様にすればする程、考えてしまう。

安浦が誰とどうなろうが、俺に関係あるのか?
そもそも、今考えるべきは明日からの研究発表だ。

俺は、交錯する思いを無理やり押し込むと、電車に乗り込んだ。
明日からの資料に目を落とすと、本来の自分に戻って行く様だった。