「はぁ。」

俺は、驚いて気の抜けた言葉を発してしまった。

「『はぁ』じゃ無いわよ!追っかけて怒鳴ってやればいいのに。」

「…何で、片岡さんが怒ってるんですか?」

俺は、さっきまでの腹立たしさが嘘の様に落ち着きを取り戻していた。

「怒りもするわよ!慎ちゃんや皆がどんな思いでリニューアルにこぎつけたか。その努力を理解出来てないなんて、社員失格よ!しかも、リニューアル大成功じゃない。ざまぁみろよ!」

一気にまくし立てる片岡さんに、俺は空いた口が塞がらなかった。
しかしながら、何度か挨拶をした程度の片岡さんに、ここまで言ってもらえるなんて思ってもいなかった。

そうだ、リニューアルは成功している。
その事実だけで十分だ。

そう思っていた。