「おい、飯」





机の隣に立つ、大きな佐々木 颯(ササキ ソウ)ちゃんを見上げて、
大きなお弁当箱を渡す私、馬場萌子(ババ モエコ)



「はい♪」



それを当たり前に受け取り、待ってた女子の輪を避ける様に戻る颯ちゃん。





教室から出て行く颯ちゃんの背中を見送って
自分の小さなお弁当を出し、席に来てくれてた友達と一緒に食べ始ると、



「毎日、よくお弁当作るよねぇ……」

「感心するよ~」



いつものセリフ。



「え? うん♪
だって颯ちゃんだから」



エヘッと笑った私のオデコを突付きながら



「何赤くなってんのよ?
ただのパシリだよ?」