鳴は重たい口を開けてくれた。


鳴「…記憶喪失…になちゃったの…。」


どんどんと小さくなる声を俺は一文字も聞き逃さなかった。


そして俺の予感は的中してしまうのだ…。
的中しても嬉しくもない現実…。



俺はいったいいつから記憶がないんだ?

なんで記憶が無くなったのが今日まで気づかなかったんだ?



自分のことは自分が1番分かるんだが、今は自分が分からない…。


これからどうしたらいいんだ?




俺の頭には疑問ばかりが浮かぶ。

そんな俺の隣で灯りに照らされた君から涙が一粒こぼれ落ちるのが見えた!!



なんで…なんで鳴が泣くんだ…!?



鳴「…ごめんね…たっちゃん…。」

達也「なに言ってんだ!?…何故謝るんだ!?」



俺は訳が分からない…。
俺の過去に何があったのか知りたい。


鳴はそんな俺の気持ちを知ったかのように過去にあったことを話し始める。

泣きながら、途切れ途切れと…。