「・・・ちょ、不意打ちやばいって」
「バカきょー・・・」
「俺は翠が「強い男が好き」って言ったあのときから、ずっと悔しくてお前を見返そうとしてたの。なのにお前は男つくるし?気付いたら遊びまくってるし?」
ぎゅっと抱きしめ返してくれた腕があたたかい。
この腕じゃなきゃダメなんだ。
「・・・あの合コンが最後のチャンスかなって。もし、あそこでお前が俺のこと男として見てくれたら絶対俺のものにするって決めてた」
「・・・なに、それ」
「愛だろ」
「きもっ」
「お前な、俺にこんな寒いこと言わせんな」
あたしたちは笑いあった。
なんて幸せなんだろう。
「大体、白石に落としたハンカチ渡してたら、お前さっさと帰ってんだもんな」
「え!???」
「まっ勘違いしてヤキモチ妬いてたみたいだけど」
嘘・・・ありえない。あたしの勘違いだったんだ。

