あたしのトラウマがまた顔を出す。
初めて付き合った彼に、「白石さんが好きになった」と言われた。
高校入って一目惚れした先輩は、秋歌と付き合った。
高1に付き合った彼は、陰で「翠なんてキープだって。白石秋歌を本命にするまでのな」って笑ってた。
もういくらなんでも十分だって。
あの子に敵わないのは、あたしが一番わかってる。
だからもう本気で誰かを好きになりたくなかったのに・・・。
涙が止まらなくて、あたしは自分に跨ったきょーから目をそらした。
だけど気付けば、あたたかいぬくもりに包まれていた。
「・・・バカ」
「ちょっときょー!?」

