「須賀君・・・ごめんなさい」
私が頭を下げると、須賀君は何も言わず私の手を引いた。
無言で電車に乗り、ただただ須賀君のあとをついていった。
「ここって・・・」
「俺らの行ってた塾。もう使われてないらしいけど」
古びたビルの3階。たしかにそこに昔、塾があった。
今はその目の前の待ち合わせ場所によく使われる広場にいた。
「須賀君、ほっぺ冷やさないと・・・」
横顔を見て、赤くなった頬に目がいった。
だけど、ハンカチを取り出そうとしたその手を思いっきり掴まれた。
そして、そのまま抱きすくめられた。
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